左は小学6年生、Kくん。幼稚園の頃から絵画に来てくれているベテランさんです。今回は縫物をしてくれているお母さんを描きました。小学校を卒業したらもうそうそうお母さんを描く機会はなくなります。もしかしたらこれが最後・・・。丁寧に線を選び、絵具の色もお母さんらしい色を使い、心のこもった絵になりました。
右は小学校4年生Yさん。本を読みながらワンちゃんを抱っこする、優しいおかあさん。そのすぐ傍では家族がそれぞれの事をしています。家族の穏やかな時間が絵から読み取れると共に、この絵を描いた彼女の穏やかな性格が読み取れます。
アトリエでは毎年、この時期に「お父さん」か「お母さん」どちらかを絵にして父の日・母の日それぞれのコンクールに出しています。
【入選】
【佳作】
高学年は写真を見ながら描きますが、写真を見ながらでもどの子もお母さんを頭で思い浮かべて描いています。
この絵に描かれた場面や思いを思い出しながら、優しかったり、厳しかったり、楽しかったりする、子供たちから見たお母さんたち。描かれる本人は照れくさい気もしますが、やはりうれしいものですね。
いい母の日のプレゼントです。
数年前、私も長女に、心に残る「お母さんの絵」を描いてもらったことがあります。
それは私が飼い猫を抱っこしている絵でした。
その猫は、長女がその絵を描いている最中に、病気で亡くなりました。
いつもは口数が少ない長女ですが、猫の病状が悪い事、その猫が無くなったら私が悲しむであろうことを考え、
その絵を描くことでその猫との思い出を残し、元気を出してほしいというメッセージが込められていたのかもしれません。
間違えた線がたくさん残っている、何度も線を描き直した絵でした。
その絵は、大きな賞をもらいました。ただ、大きな賞がなくても、私たち家族には今でもとても大切な絵です。
こどもが描く絵には、特に家族の絵は大きな意味を持つものがあります。
そう言った子供たちが描く絵に込められたメッセージから、私たちは大切なことを教えられます。
賞をもらうこともうれしい事ではありますが、結果が大事なのではなく、
どうしてその子がその絵を描いたのか。
そこに込められた「想い」が大切なのです。